出江 寛氏インタビュー


設計料有償を法制化
  設計事務所に頼もうが工務店に頼もうが、設計料というものはいるわけです。ところが工務店に頼んだ場合、設計料はサービスですという場合がある。実際は工事費に含まれていますが。
今、あらゆる業界が透明化しようとしているわけでしょ? 100円か200円のお菓子ですら透明化しようとしているのに、何百億とか何十億とか億のつくものがいまだにどんぶり勘定で不透明だというのは考えられないことです。最初に1人が口火を切ることで「そうだ」という人が集まってきて、それが大きい輪になって、やがて国を動かすようなことになっていくと思う。だから誰かが言い出さないといけない。
そこで私は、他団体と組んで、こういうことを言っていこうと思う。
透明化、透明化と社会が言っているときに建設業界だけがどうして不透明がまかり通るのか。談合、ダンピング、耐震偽装、建材の偽装、次から次に問題が出てきますね。耐震偽装にしても問題の根本はあまりにも安い設計料にある。それだけではないけど一番大きい理由はそこにある。建築家がもっとがんばって、きちっと責任を果すかわりに、設計報酬もきちっと頂くというようにしなければならない。今は責任だけ重く報酬は低いというひどい時代になっているわけです。
法制化する法というのは万人に平等でなければならない。
設計料有償を法制化しようと思っても、全国の中でいったら顕微鏡で見てもわからないくらいの会員数しかないJIAだけで実現できるわけがない。だから、他団体と一緒に運動することが一番大事なことです。

専業設計者、兼業設計者、施工者が一体に
  現在JIAで行っている登録建築家制度をオープン化し、専兼かかわらず全ての門戸を開放します。次に登録建築家協会というのをこしらえるわけです。デベロッパー、建設業、ハウスメーカーなど、いろんなところにいる設計関係者に登録建築家協会に入ってもらいます。つまり、登録建築家協会という統括設計者の大きな輪があって、この中にJIAという純粋の設計者団体があるという構造にするわけです。
設計監理を統括できる能力を持った設計者の団体=登録建築家協会というのをきちっとして、施工会社の設計者も、我々みたいな専業の設計者も一緒になって国にあたる、というのがほんとのやり方と思います。スタートするのは来年5月だから半年先だけど、今からぼつぼつネゴシエーションをしていこうとしています。
一番大きい話は、専兼分離という路線で20年間走ってきたJIAを、設計料の有償化という路線にガチャンと切り替えることです。要するにゼネコンも設計料を有償とする法律を立ち上げましょうという方向に軌道を引き直します。
法制化の実現は1年や2年で出来るわけがないんで、私はまずレールをしっかり曳きたいと思います。今度そっちへ向いて走っていたら、やがて何年か先にひょっとしたら専兼分離へ繋がるかもしれない。

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