
◆花から実へ − 活動戦略の転換を
JIAは、建築を芸術・技術に関わる文化的営みと捉え、私が初代丹下会長の理事時代から、「専兼分離による職能確立」を旗印に、調査・研究や数多くの提言など幅広い活動を続けてきました。しかし過去20年間、50億もの会費をついやして、職能確立に少しでも近づいたでしょうか?
「私たちの業務環境は良くなっただろうか?」
「会員や所員の暮らし向きは潤っているのだろうか?」
「耐震偽装事件後の制度改革でJIAの主張が社会を動かしたか?」
・・・・・・・・・・・・・自問自答に、私は「否」と答えざるをえません。
この反省に立ち、今直ちになすべきことは、「花」から「実」を得る活動への戦略転換です。
JIA活動の根幹は、定款第3条に記載された「建築家の資質向上と業務の進歩改善」にあります。活動戦略の転換とは、この「原点」に戻ること、つまり、
「業務環境の改善」を推進することで職能の基礎を固め、
登録建築家制度のオープン化によって広く設計者の「資質の向上」を図り、
官に頼らず「市民や他団体との協調」によって「職能の確立=建築家法」を目指す ことです。
以上の活動指針をマニフェストとして、皆さんの声に耳を傾け、共に考え、共に進む所存です。愛するJIAのために、この目標達成を私の建築家人生最後の仕事として成し遂げる覚悟ですので絶大なご支援とご協力をお願いいたします。
◆3つの目標
| 1. |
建築家とその所員が世間並みの収入を得られる設計業務環境の実現を目指す。 |
| 2. |
設計監理における建築家の統括権と責任を定めた「建築家法」の制定を目指す。 |
| 3. |
中央集権的な組織運営を見直し、地域の自主性を高めてJIAの活性化を図る。 |
◆3つの戦略
| 1. |
他団体との対話と強調
=設計・監理に係る全ての設計者・技術者の地位向上に向けて他団体と協調し、設計監理報酬基準の周知・徹底を建築界全体で推進する。 |
| 2. |
登録建築家制度の普及
=JIA会員外に門戸を開放し、設計者の倫理と実務能力の向上を図り、「建築家法」のモデルである登録建築家制度の理念を社会に広める。 |
| 3. |
ボトムアップ型組織へ
=組織運営の透明化と合理化、支部・地域会の自主性を高めてボトムアップ型組織への転換を図り、会員の結束と、JIA全他の活性化を図る。 |
◆7つの施策
| 1. |
登録建築家制度
<建築士法に代る「建築家法」のモデルとして整備・開放する>
| ・ |
「登録建築家基本綱領」を定め、倫理・美学・設計能力・統括能力等の審査認定基準と各種規定類を整備して、門戸開放と将来の立法化に備える。 |
| ・ |
認定機関・運営組織を確立し、全ての建築設計者に「登録建築家」への門戸を開く。 |
| ・ |
「建築の公益性」とそれを担う「設計・監理を統括する設計者=登録建築家」の必要性についての社会的合意を得るための活動を推進する。 |
| ・ |
全ての設計者・技術者が共生できる「建築生産システムの再構築案」及び「建築家法」「建築技術者法」の素案を纏めて社会に発信する。 |
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| 2. |
会員
<これまでの「数の拡大」路線を廃し、会員の「質の向上」をめざす>
| ・ |
門戸解放後は、現行の正会員入会要件に「登録建築家であること」を加える。 |
| ・ |
実務訓練生及び認定要件に達しない若年層のために、準会員制度を新設する。 |
| ・ |
登録建築家制度の目的を会員に再度説明し、正会員=登録建築家を推進する。 |
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| 3. |
組織
<本部・支部機能を見直し、社会の変化に対応した組織運営を行う>
| ・ |
本部の役割を「外交」「立法」「財務」「顕彰」「懲罰」「広報」「危機管理」に絞る。 |
| ・ |
現行の組織形態を継続しつつ、地域間格差の縮小を図り、各地域の自主性を高める。 |
| ・ |
組織運営の透明化を高め、地域JIAの活動を重視し、会員参加型の合意形成を図る。 |
| ・ |
リスクマネージメントを確立し、倫理規定・賠償保険・設計契約書等を見直す。 |
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| 4. |
会費
<本部・支部の配分を見直し、支部・地域会の活性化をうながす>
| ・ |
理事定数の削減、本部委員会の支部への委譲や本部委員会の削減、TV会議等を推進すると共に、本部・支部事務局体制を見直し、身の丈に合った組織運営を行う。 |
| ・ |
JIA活動の必要経費を精査し、寄付に頼らない適正会費を決定してその維持に努める。 |
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| 5. |
法人格
<「持続可能な社会の構築」「建築資格の国際化」を目的とする公益法人を目指す>
| ・ |
全会員に、上記の目的に添った設計活動・社会活動を実践するように要請する。 |
| ・ |
経済至上主義を変革する価値観の創造と提言を行い、社会意識の変革に努める。 |
| ・ |
国交省のほか経産省、環境省等との連繋を強め「建築家法」の実現を推進する。 |
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| 6. |
UIA東京大会
<全ての設計者に開かれた大会を開催し、日本文化の普及を図る>
| ・ |
持続可能な社会を構築するために、日本文化を基礎にした新たな規範を提言する。 |
| ・ |
UIA東京大会開催の準備に関する体制は現行のまま継続する。 |
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| 7. |
法改正への対応
<第1段階として、新報酬基準のキャンペーンを推進する>
| ・ |
告示1206号の改正後に、新報酬基準のキャンペーンを他団体と共同で推進する。 |
| ・ |
設計報酬、監理報酬を明示したBCS設計施工一括契約書を建設業界全体に広める。 |
| ・ |
設計及び監理報酬を明示した契約書による契約締結義務付けの法制化を推進する。 |
| ・ |
建築の安全性を担保にするためには「厳罰やチェックの強化」より、建築設計者・技術者の「裁量権拡大と責任の明確化」の方が効果的であることを社会に発信し、建築基準法の抜本的改正と建築士法に代る「建築家法」「建築技術者法」の実現に向けて活動する。 |
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