基本的な考え方は、今までの建築学科の大学院というのは、各研究室に配属されるわけですよね。そうすると研究室の先生の考え方に基づいて教育したり研究したりということが中心だと思うんですね。例えば歴史の研究室だとその研究室の研究の持続性・継続性が非常に重要になってくると思うし、どの研究室にいったとしてもその先生の考え方が教育の中心であり研究の中心であるわけですよね。
Y−GSAの場合ですと、4人教授がいるんですけれども、その4人の教授が全体で1つのグループのような形になっていて、そこで学生達に対して、いわば設計事務所のように教育をするというか、訓練するというか、そういうことを目指しています。ですから、4人の先生のところに配属されるのではなくて、学生達全体が4人の先生のところに半期づつ、6ヶ月づつ、そこに所属して1つの課題を与えられるっていう感じですね。ですから1年間で、2人先生がつくわけですね。卒業するまでに4人の先生のスタジオを選ぶことになるわけです。それでそのうちの半年を例えば海外の事務所に行ってもいいし、国内の事務所でもいいし、インターシップ制度っていうのがあって、そこの半年間分Y-GSAにいなくても海外で単位になるっていうシステムです。ですから基本的にはかなり建築家を養成するっていうことに特化した大学院ですね。
他の大学だと設備も構造もそれぞれ学んで身につけていくわけですよね。仮にデザイン系の研究室を選んだとしてもカリキュラムはそこだけではないですから、ただY-GSAの場合はほとんどその4人の先生のスタジオを通過すると修了できるわけです。そういう意味で学生達はかなりスタジオに多くの時間をさくことが出来ることになるわけです。ですからかなり実践的に学ぶことができるのと、それと同時に半年間である課題を与えられるので、単純にデザインの勉強というだけではなくて、それに関わる様々なバックグランドも当然勉強しなくてはならないので、自分でその分探していかなければないないわけです。だからそういう意味ではかなり主体的に自分でやっていかないと、ただ与えられた課題だけを作っていけばいいというのとかなり違う勉強の仕方になっています。そういう意味では今までの日本にない新しいシステムだと思うんですよね。我々の側も今のところまだ1年間が過ぎて前期が終わったところなのでまだ試行錯誤っていうところはありますが、かなり2年目に入ってどうしたらいいか少しわかってきたような感じですね。 |