佳作
15の箱と15の庭と15のテラス   山本 基揮/株式会社 山本基揮建築設計

一般に隣り合う住宅間の境界線は単なるスキマとして可視化され、住宅をオブラートのように包み隣との関係を遮断する。一斉に多くの住宅を建てる分譲住宅地にメリットがあるとすれば、それは、マンションでも戸建て住宅でもない住宅のあり方を提案できる点にある。つまり、それは集まり方のデザインである。
ここではこのスキマを積極的に空間として利用するために、5棟の住宅を15の箱と15の庭に解体し市松状に斜面に配置する。

様々な用途に使える大きなガレージ。ポケットパークのような庭やテラス。半分地面に埋もれた箱。地形に沿って隣り合う場所の緩やかなつながり。15の箱と15の庭と15のテラスは一つの群として、このまちの核となる。